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私の仕事場の近くに、西国三十三ヶ所観音霊場四番札所の槇尾山施福寺がある。毎朝、登り30分の山散歩を仕事前に楽しむ。
夏場は6時半に、冬場は7時に自宅を出るのだが、霊場とあって色んな方とのふれあいや出会いがある。
以前、1〜2回お会いしたことがあリ、今日お会いするのがたしか3回目だと記憶する、3人の巡礼ファミリー。
一番最初にお会いした時は、こちらからお声掛けをさせて頂いたと思う。「失礼ですけど、お手伝いしましょうか?」と
話しかけると、すぐさまお父さんが、「お気使いありがとうございます、大丈夫です、ボチボチゆっくり登りますので・・」
その表情は、真夏の汗をタオルで拭いながらの笑みだったのを今でも記憶している。
今日は摩崖仏があるベンチで休んでる人とストレッチャーが見えたので、もしや以前出会ったファミリーの参拝者の方かなと?、
思うや否やお父さんが、「おはようございます、よかったら、おひとつどうぞ」と、小さな布生地のキーホルダーの様なものを手渡してくれた。お聞きすると、手作りの叶結びストラップらしい。聞くのも見るのも初めてで、質問責めにしてしまった。
ストレッチャーに横たわった女の子は、楓果ちゃんといって中学生前後の小柄な娘さん。楓果ちゃんは寝たきりで話すことが出来ない。そんな楓果ちゃんと3人で、西国三十三ケ所巡礼をしているという。
西国巡礼は平坦な参拝道ばかりではない。お父さんとお母さんは諷果ちゃんのストレッチャーを二人で担ぎながら巡礼しているらしい。もう数回満願しているようで、楓果ちゃんの輪袈裟とネーム入りのバッジの色が物語っていた。
何とも頭が下がる思いで、今もキーボード打ちながら胸が熱くなる。出来れば、またお会いできることを願いながら、
ストラップを大切に持っていようと、気持ちを叶結びした朝だった!
最近、訪問看護サービスの事業所様から、
訪問カットの依頼を受けることがある。
在宅看護されてるお客様とあって、大半が末期ガンの患者さんが多い。抗がん剤などの薬の副作用で、体調の良いとき悪い時のリズムが激しい。もちろん体調の良い時期にお邪魔させて頂くのだが、カット中ても体調は激変することも多々ある。そんな時は流れに委ねる。ご本人は痛みもあり、相当辛いと思う。
在宅看護されているご家族は、腰が低く温かく迎え入れて、帰りは丁重にお見送りをしてくれる。
カットやシェービングを終えて、仕事道具を片付け、掃除機をかけて車に荷物を運びながら、いつも思う。
末期ガンだけに、次に依頼があることは少ないが、今日も一期一会の気持ちで、精一杯仕事をさせて頂いたか?
喜んで頂けたか?満足して頂いたか?
自問自答を繰り返す。
自身も大病を経験し、生死の境をさ迷ったが、今生かさせて頂いていることから、
在宅看護されている方々の力になれる事への喜びを感じ、商売の原点に戻り、また今日も訪問させて頂く…
最近、休日になると金剛山に足が向く。標高1.125mの金剛山は、奈良県の御所市と大阪の南河内郡千早赤阪村にまたがっている。中学の頃、耐寒登山と称して学校からゾロゾロ歩いた記憶がある。
寒い時期だったがこの時は雪もなく、足元は正月にお年玉で買ったおニューのデッキシューズで歩いたのを、今でもよく覚えている。あとは何処をどのように、どこまで歩いたかなどは、全く記憶にない。当時は山登りなんてするモノは、人間じゃないと思うぐらい斜に構える反抗期。中には白い長靴(別名・ドタ靴)を履いているツワモノもいたような気がする。それがなぜ今頃?最初は運動がてらに知り合いのサーさんに同行。何の知識もなく健康のために休日を過ごす感覚。適度に腹も減り、山頂の昼飯が美味いのは確か。
2〜3回一緒に登ったがそれで終わり。ひとりで行くのも億劫だったが、昨今の山ブームで金剛山の名前をよく耳に入りだした。そこで思い切ってひとりで行くのだが、方向音痴のオイラには、登りルートと下山のルートが一致しない。登り口とかなり離た場所に下山するのはしょっちゅう。
しかし、どんなことでも慣れてくると面白いもので、心に余裕ができると周りも見えてくる。老いも若きも黙々と歩いている気持ちが少しは納得できる。そうなってくると四季の移り変わりを楽しみながら休日が待ち遠しい。たぶんほとんど人がこんな感覚で山に入るのだろう。
スキーをしていた若いころ、山に近づくにつれて吹雪く景色を見てワクワクするのが好きだった。これからの時期も金剛に向かう車から、吹雪いてくれと、祈る・・
蝉しぐれで始まった今年の夏も、8月24日の地蔵盆を迎えることで夏の終わりを告げようとする。だが実際はまだまだ残暑もきびしく、雨が恋しい。
夏のドラマはほろ苦い。山や川で時間も忘れて遊んだガキの頃から今年の夏まで、ドラマチックなシーンが多いのは夏の悪戯か?50も後半にさしかかり、地元の悪ガキも白髪がまじり始め、遠近両用はあたりまえ。話すことはと言えば、孫の自慢と年金話。ゴルフとおねえちゃんのネタは、オレはまだまだ大丈夫と見栄を張る。それでも衰えない酒の量。酔うのが早い分、同じことを喋りまくる。30年前はリチャードギアやデニーロの様なジジイになるで、って言ってたヤツが痛風でプリン体がどうのこうの。夏のドラマは高校野球だけではない。そんなジジイにもドラマはやってくる。お盆休みは毎年のように業界の知り合い夫婦に誘われどこかに出かける。今年は海。
熱い日差しの下よりもクーラーの部屋が大好き。足は真っ白、焼くのが怖い。知り合い夫婦は仲がいい。ふたり海で戯れるのを眺めながら、オレもいつかはと青空を見上げる。妄想のなかを泳いでいると、季節の移り変わりは早い。夜は涼しなったなぁ〜を、合言葉に一気に秋風が吹けば、少しの後悔と少しの不安を今宵のグラスで飲み干すオヤジがいる。